家具業界からコピー商品がなくならない理由

家具業界では、市場で売れている椅子や家具が、コピーされて販売されることが家具業界ではまかり通ってきました。
デザイナーやブランド・メーカーにおいては、コピー商品を出されてしまうと売上に大きな影響が出てしまいます。

そこで、数年前から業界紙ルームファニシングが中心となって、
「コピー商品NO!!」
を訴えています。
試される家具業界の姿勢!!コピー商品問題はなくなるのか

当ブログでも紹介したことのある椅子のジェネリック品について。
デザイナーの死後50年経っても著作権として保護される判例があります。

しかし、いまのところコピー商品が家具業界から消える気配は無いようです。
むしろコピーの仕方が巧妙になってきたと言ってよいでしょう。
商品をまるまるコピーせずに、
「パッと見を似せて、よく見ると違う」
といった商品に変わってきています。
特に、ECで販売されることが増えたので、写真のとり方によって同じように見せたり、違うものとして表記することができるようになりました。

コピー商品がなくならない理由1 海外工場で家具を生産しているため

現在、日本の家具業界の売上に占める国産品のシェアは1位ではありません。
ほとんどが、輸入品にシェアを奪われてしまったからです。
海外の家具工場で生産された家具が、日本の家具小売店で販売されています。

日本国内の工場でも、コピー商品を生産している工場が一部ありますが、海外工場の方が簡単にコピー商品を作ってくれます。
例えば、日本製の売れている椅子を海外へ持ち込んで、そのままコピーしてくれます。
もちろん、品質などは日本製に劣り、材料も同じものではないかもしれません。
しかし、コピー商品は簡単にできあがり、ネットで商品をみる消費者にとっては、ほぼ同じものに見えてしまいます。

生産者側の海外家具工場は悪意があるわけではなく、あくまで顧客の要望にこたえているだけです。
日本の市場について、外国の企業はそこまでリサーチできていませんから、持ちこまれた椅子をみて「これはどこどこのメーカーの商品なのでコピーできません」なんて拒否できるわけありません。

日本国内のでコピー商品を作るには、家具工場にとってのメンツやコンプライアンスの問題がありますが、海外工場へ持っていけばコピー商品を作る障害がほとんどないのです。

コピー商品がなくならない理由2 家具業界にはフォロワー企業ばかり

フォロワーといえば、SNSのフォロワーのイメージが強いですね。フォロワーとは後追いという意味なので、どこかの企業を常に付けている企業です。
業界内の企業を4つに区分する、市場地位の4類型(リーダー、チャレンジャー、フォロワー,ニッチャー)という方法を、マーケティング大家のコトラーが提唱しています。

家具小売業界のリーダーはニトリです。
業界2位以下とは大きく差があり、この地位は盤石と言ってよいでしょう。
自社工場や海外のサプライヤーでPBを開発しています。ニトリは社内デザイナーなども抱えており、コンプライアンスを重視しているので、目立ったコピー商品はありません。

そこで、実際にコピー商品をつくるのはフォロワー企業なんですね。
フォロワー企業は、リーダーの「模倣」する戦略をするしか生き残れないと言われています。

従来型の家具小売店で売上100億円以下の企業はほぼフォロワー企業に含まれると思います。
ただし、フォロワー企業でもチャレンジャー型やニッチャー型の方法を取り入れてる企業もあり、それぞ生き残りをかけて全力で企業努力している企業もあります。
しかし、商品構成ではニトリを意識している企業が多く、コピー商品ではなくともスペックと価格が同じ商品を揃えています。
中にはコピー商品に近いものを海外から輸入して並べている小売店もあります。

新規参入企業は模倣戦略も

2018年よりヤマダ電機が本格的に家具事業に参入してきました。
手っ取り早いシェアの拡大にあたってリーダー企業の模倣戦略をとっています。
資金力があるので、商品だけでなく、売り場なども模倣しています。

ECサイトを見ても、劣化版ニトリです。

催事も模倣

ヤマダ電機のように模倣は商品だけではなく、施策も模倣できるのです。
他には「催事」が模倣されています。
家具の催事といえば、かねたやが行う「幕張メッセでの家具バザール」が有名でした。
かねたやはこの「家具バザール」で競争の激しい関東地方で、売上を確保して生き残ってきました。関東地方での家具催事はリーダー企業と言ってよいでしょう。
しかし、この催事も「模倣」されてしまいます。
関東地方の中堅家具店で催事を行う企業が増え、催事過多となっています。これはフォロワー企業同士の体力消耗線になっているともいえます。

コピーはフォロワー企業の生き残り戦略

ここまで見てきたように、家具業界での「コピー」は商品だけでなく、施策まで及んでいます。
これは家具業界に限ったことではないです。しかし、家具の生産国が海外へ移ったことで、あからさまなコピー商品が増えました。
消費者にとっては、どの店でも似たような商品が低価格で買えるのはうれしいことです。一方で、家具業界の商品が均一化されてきたことも意味します。

資金力のあるリーダー企業は、コピーされてもさらに新商品を世に売り出し、フォロワー企業がそれに続くの自明です。ただ、フォロワー企業同士も消耗戦を繰り広げています。

フォロワー企業は、チャレンジャーやニッチャーとなり模倣されにくい企業体質を目指していくことが指標になるでしょう。
模倣戦略を繰り返すのはコンプライアンスの問題もありますが、消耗戦を続けられるか体力勝負に挑むことになります。

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